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人生に疲れた時こそ観たいバーネット・ニューマンの絵

今から20年前アメリカに住んでいた時に、ニューヨーク近代美術館(MOMA)で観た一枚の絵に衝撃を受けた。

なぜならその絵は、素人の私でも描けそうなくらいシンプルな絵だったからだ。

そんな私でも描けそうな絵を、椅子に座ってじっと見つめていた女性がいた。

当時の私にはその絵の魅力が全く分からず、他の作品を見ようと思って早々とその場を離れた。

1時間後、何となくあの女性が気になって、再度、私でも描けそうなあの絵が置いてある部屋へ足を運んだ。

あの女性は1時間前と変わらず、まだその絵をじっと見つめていた。

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歳を重ねていくうちに気付いたこと

 

今現在アラフォーの私。

当時はよく分からなかったけど、今となっては、なぜあの女性がシンプルな絵をじっと見つめていたのか分かるような気がする。

 

 

最近読んだネットの記事で、バーネット・ニューマンの「Onement Ⅵ」という絵が44億円で落札されたと知った。

ブルーのキャンバスの中に一本の白い直線が描かれている、とてもシンプルな絵。

私がアメリカで観た絵は、今思えばバーネット・ニューマンの絵だったのかもしれない。

でも当時の私はその絵に全く興味がなかったので、画家の名前までは確認していなかったのだ。

でもブルーのキャンバスに一本の線が入っていたのはよく覚えている。
ただ、その線が白だったのか黄色だったのかは記憶が定かではない…。

ウィキペディアによると、バーネット・ニューマンはニューヨーク生まれで、MOMA美術館にも作品が置いてあるようなので、私があの時に観た絵は、この44億円で落札された絵と同じものだったのかもしれないと思った。

バーネット・ニューマンは、初期の頃は違うタイプの作品を描いていたそうだ。

何枚も何枚も絵を描き続けているうちに、最後にたどり着いたのがこのシンプルな絵だったのかも。

あの時の女性は、ブルーのキャンバスに描かれた一本の直線を、ご自分の人生と重ねて観ていたのだと思う。

私も今なら何となく分かる気がする。

自分の人生を振り返ると、色々と複雑過ぎて疲れることも多かった。
でも複雑に生きてきたからこそ、アラフォーになった今思うことがある。

私には、あのブルーのキャンバスに描かれた一本の直線が、自分の息子に見えてきた。

息子と言う大きな存在が、私の中にスーッと描かれているの。

若い頃は部屋にやたらと物が多かった私。
でも今は、物への執着がなくなった。

ミニマリストの気持ちも何となくわかる気がする。

ふと思ったんだけど、息子が巣立った後は、私のキャンバスには一本の直線がなくなって、ブルーだけになってしまうのかな?

その時が来たら、このキャンバスに何を描こうかしら?

いや、何も描かなくても面白いかもね。

 

 

この絵も44億円で落札されるかな?(笑)

 

 

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