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男性恐怖症を克服するまで

私は元夫と出会うまでの二十数年間、誰ともお付き合いをしたことがなかった。男性恐怖症だったので、できるだけ男性とは関わらないように生きてきたの。

特に小学校時代の私はひどかった。

担任の先生が男性というだけで、頭痛や吐き気に悩まされて学校もよく休んだ。親戚のおじさんも苦手で、話しかけられただけで吐き気がした。だから未だに親戚から「くるみは子供の頃、ものすごく根暗だったよね。」と言われる。いや、本当は根暗だったんじゃなくて、おじさんを見ると吐き気がしてしゃべらなかっただけなんだけど、そんなこと言えないじゃない?(笑)

あと苦手だったのが、学校での男子の集団。トイレに行きたくても、男子がトイレ周りでプロレスごっことかしていて、なかなかトイレに行けなかったの。

男子に話しかけられても、目も合わさずに逃げまくっていたので、「くるみ、俺のこと嫌いなの?俺、くるみに何かひどいことした?」と言われたことが多々あった。いやいや、そうではなくて吐き気がするから逃げてただけなんだけど、そんなこと言ったら、男子はもっとショックを受けるでしょ?(笑)

男子が苦手なコブタの様子

会社員の時もそう。男性社員に話しかけられると吐き気がした。ひどい時は頭痛にも悩まされた。男性と目も合わせない私。当然男性からすると、私の第一印象はとても悪かったようだ。

そんな中、職場で元夫と出会った。

第一印象がすこぶる悪い私に、何度も話しかけてきてくれた。当時は男性の方がシステム系も強かったので、パソコン操作で困っている女性社員がいたら、すぐに手助けしてくれる男性が多かった。

でも私の場合は別。

男性と話さなきゃいけないという恐怖心があったので、何も困っていないふりをして自力でパソコン操作をしていたの。操作の関連本を机に山積みにして作業をしていたので、私が困っているのはバレバレだったんだけどね。(笑)

それをずっと見守ってくれていたのが元夫。私が男性が苦手だというのが分かったようで、そっと声をかけてくれて、システム系のトラブルが起きると、すぐに私のところに飛んできてくれた。

「ありがとうございます」とお礼は言うものの、相変わらず目を合わせない私。それでも元夫は嫌な顔一つせず、「困った時はいつでも声をかけて」と言ってくれた。

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意気投合

そうこうしているうちに、徐々に元夫の目を見て話せるようになった。仕事以外でも、自分たちの生い立ちの話をしているうちに、お互いに母子家庭育ちだと分かった。

元夫の場合は私と違って、割と大きくなってから両親が離婚したとのことで、家族仲が悪かったのをよく覚えているそうだ。母親がもともとヒステリックな性格だったようで、両親のケンカが絶えなかったと言っていた。

そうこうしているうちに、父親が別の女性を好きになって家を出て行ったと元夫は言っていたけど、真相は良く分からない。もしかしたらお父さんにも原因があったから、お母さんがヒステリックになった可能性だってある。

いずれにしても「家族愛というものはよく知らない」と元夫は言っていた。

生い立ちを話しているうちにお互いにどこか惹かれ合って、気付いたらお付き合いを始めていた。「男性恐怖症だったくるみに彼氏ができた!」と、実家の母や友人たちもとても喜んでくれた。

私と元夫はお互いに淋しがり屋だったからか、すぐに同棲生活をはじめた。

でも一緒に暮らし始めると、段々パートナーの心の闇が見えてくるのね。私は結婚して子供をたくさん産んで、にぎやかな家庭を作りたいと夢見ていたけど、元夫は違ったの。

結婚にも興味がなくて、仲良し家族のCMを見ただけでも激怒するタイプ。「俺は家族が大嫌い!」「視聴者に家族愛を押し付けるな!」といつもブツブツ文句を言っていた。

ちなみに私は、そんな家族愛たっぷりのCMやドラマは大好きだった。

仲が良さそうな家族のCMを見ると怒り出す夫

元夫のご両親の仲が良かったら、もしかしたら元夫はここまで「家族」を毛嫌いすることもなかったんじゃないだろうか?本当は両親にたくさん甘えたかったんじゃないだろうか?

元夫のことを心配しているうちに、いつの間にか男性恐怖症を克服していた私。職場でも、男性の皆さんの目を見て話ができるようになっていた。

「くるみちゃん、彼氏ができてからおしゃれになったね」と男性から褒めてもらえるようにもなった。昔の私だったら、そんなことを言われたらその場で吐いていただろうに、笑顔で「ありがとうございます♪」と言えるようになっていた。

元夫には結婚前に浮気もされ、結婚後には不倫もされた。そして離婚も切り出された。

元夫と出会って、ものすごく寿命が縮んだ気がするけど(笑)、それでも元夫には今となっては感謝の気持ちでいっぱいだ。

離婚することになってたくさん涙も流したけど、そのおかげで以前と比べて小さなことにも感謝できるようになった。

それだけで本当にありがたい。