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やり直すのは調停員次第?

離婚調停の手続きをしたのはもちろん夫。私がなかなか離婚してくれないので、次へ進みたくてそうしたのだとか。それなのに、「調停員が俺に考え直せと言ったら、くるみとやり直すよ」とも言ってきた。

何だか色々矛盾している気はしたけど嬉しかった。

この頃の私は、過食嘔吐の影響で体重が徐々に減りブタからコブタに変わっていた。でもただの栄養不足が原因での減量だったので、髪の毛は抜け、肌はボロボロだった。(過食嘔吐は絶対におすすめできません!何一ついいことはありませんので真似しないでくださいね。)

第一回目の調停の日。

息子を裁判所へ連れて行くのは精神的に辛かったので、調停がある日は託児所に預けた。保育料は夫が全額負担してくれた。夫が離婚を考え直してくれるかもと期待しながら、しっぽをブンブン振って喜んで裁判所へ行った。

子犬じゃなくてコブタのしっぽをブンブンブン。

しっぽをブンブン振りながら裁判所へ向かうコブタ

裁判所に到着。

さっきまでしっぽを振っていたくせに、「裁判所」という文字が目に入ると急に胃が痛くなった。ただ家族3人で仲良く暮らしたいだけなのに、なんで私は裁判所になんかいるのだろうと悲しくなってきた。

調停中は夫と妻が顔を合わせることはない。待機室も離れており、ひとりずつ調停室に呼ばれる。そのあたりは裁判所が配慮してくださっているので、お互いに顔を見たくない夫婦にとってはありがたいのかもしれない。

夫の調停の時間になった。自分の番が来るまで待機室で待つ。どのような問題を抱えているのかはわからないが、待機室には他にも何名かいた。お互いに会釈程度で言葉は交わさない。
静まり返った待機室。誰かのお葬式かと思った。

夫の調停が終わり、私の番になった。男性と女性の調停員が私の目の前にいる。実際に調停が始まるととても緊張した。色んな思いが重なり、話をする前からたくさん涙が出てきた。

調停員は、「私たちも普通の人間だから、そんなに緊張しないで」と笑ってくださった。ちょっと落ち着いた私は「夫と離婚したくありません」と伝えた。

離婚調停とは、夫婦お互いの意見を聞き、どうすればよいか一緒に考えてもらえる場だと思っていた。先に夫の話を聞いていた調停員。夫が何を言ったのかは分からないが、「あなたも離婚した方が楽になれますよ。」と言ってきた。

あれ?
調停員って、両方の気持ちを理解してくださるんじゃなかったっけ?
それなのにいきなり離婚した方がいいって・・・。

それから続けて、「ご主人はとてもスリムな方ですね。あとご職業もすごい。頭がいいんですね。なかなかこんな会社には入れないですよ。」とおっしゃった。

夫は何を言ったのだろう?

確かに夫は頭がいい。国立大卒のいわゆるエリート会社員。それに比べ、私は専門学校が最終学歴。そして現在は、誰にも褒めてもらえないただの専業主婦。

そう言えば、学歴に差がある夫婦は離婚しやすいと聞いたことがある。それは夫のほうが高学歴の場合らしい。注)上手くいっているご夫婦ばかりですのでご安心ください。

わお。当たってる・・・。

秀才とおバカは結婚しちゃいかんね。でもそんなこと、小学1年生の時に教えてよ。私は母からも学校の先生からも、人を思いやる気持ちの大切さを教わってきたんですけど。

色々言われたけど、別に調停員が悪いとは思っていない。今の時代、どちらか一方の愛情がなくなったら離婚という流れなのだろう。たとえ子供がいたとしても。(確かアメリカがそうだったような)

その後も淡々と離婚後の養育費の話をしてきた調停員。

調停員の話を聞いているコブタ

私は元々は気が小さい性格で、自分の意見をはっきり言わないほうだ。しかしこの時ばかりは反論し、「私は離婚したくないんです」と訴えた。そして今までの夫との出来事を話し始めた。

調停員は私の話にずっと耳を傾け、「夫婦お互いの話を聞かないとわからないものですね。あなたが離婚したくない気持ちはよくわかりました。ご主人は、ちょっと子供っぽいところがありますね。」と言ってくださった。

今どき古い考えなのかもしれないけど、私は夫が太ろうがハゲようが、愛情がなくなることはない。たとえ夫がリストラされて無収入になったとしても、日本人だからちょっと言いにくいけど、変わらず夫を愛していられる。結婚前なんて私の方が収入は多かった。

でもお互いに思いやりがあれば、それが力に変わり、お金がなかろうが二人で頑張っていけると思っていた。世の中がそうであってほしいと今でも思っている。

実際に東日本大震災の時、お金も家もペットもご家族も、何もかもすべてを失った方がいた。悲しみでいっぱいの日々でしょうに、「みなさんの励ましの言葉があるから頑張れる」とおっしゃるのだ。人間って「一緒に頑張ろう」と支え合う気持ちがあれば、どんなに辛いことがあっても生きていけるのではないだろうか。

私の夫だって太った時期があったし、毛玉が付いたパジャマをずっと着ていたこともあった。付き合っていたころは手入れをしていた眉毛も、結婚後はなんだかいつもボサボサだった。

口げんかになると決まって「俺に口で勝とうと思うな!」と言ってくる。確かに口では勝てない。夫は秀才で私はおバカだから。悲しくなることがたくさんあった。こんな状況だったら私が不倫したって、誰も責めないだろうと思うことがいっぱいあった。(もちろんしてないけど。)

でもだからって離婚しようとは思わないのだ。

そんなことを力説していた私に、「それは情であって男女の愛ではない」と言った人がいた。そっか。でもやっぱり簡単に離婚はできないよ・・・。それに男女の愛って何?夜の夫婦生活のこと?それは私もとても大切だとわかっているよ。でもどうしても子育てを優先しなきゃいけない時だってあるんだもん。夫の要求を受け入れたくてもできない時だってあるんだもん。

なんて言い訳したところで夫の気持ちは戻ってこない。調停前に「やり直すかも」と言ってくれた気持ちはどこへやら、夫は離婚へ向けてどんどん話を進めていった。

こうして秀才とおバカの離婚調停は3ヶ月続いた。とりあえず離婚ではなく「正式に別居」という形で終了した。

このとき息子は2歳前。これから母子二人だけで生活していくのは大変だろうと、調停員が夫を説得し、なんとか貯金を切り崩せば、1年くらいは生活できる状態にしてくださった。世の中には、ほとんどお金がないのに、母子(または父子)だけの生活を強いられる人もいるだろう。

私は幸せなほうだ。

裁判所のハンコが押された、法的に威力のある書類をいただき、正式に夫と別居することになった。この頃、夫に好きな女性がいるとは知らなかったので、いつかやり直せると信じて別居生活を始めた。

それから1ヶ月もしないうちに夫が「好きな女性がいる。彼女とは両思いだ。早く離婚してくれ。」と言ってきた。

やれやれ・・・。それ、早く言ってよね。それにしても、調停終了からたった1ヶ月弱で両想いの人ができる夫がうらやましい。

って、そんな訳ないわよね。

今思えば、「あれもこれも彼女と一緒になるための言動だったのか?」とこの時ようやく気が付いた。

やっぱり私は鈍感でおバカなブタだ。

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